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小林よしのり
2017.5.17 03:19日々の出来事

「共謀罪」は「反日法」である


16日の法務委員会の参考人招致で、与党が出してくる

参考人の質が低い。

 

自民党推薦の木村圭二郎弁護士は、TOC条約批准のため

には共謀罪の法案成立が義務だとまで言っている。

証人喚問だったら偽証罪だ。

 

木村氏は組織的犯罪集団の定義は厳格だと言っているが、

これもウソだ。

今、二人以上の組織が結成され、それが犯罪集団だという

ことが、どうやって分かる?

よしりん企画のスタッフが、誰かをテロのターゲットに

しようと企んだ場合、どうやってそれを見抜くのだ?

さらに計画を立て、資金を準備して、凶器を買ったとしたら、

どうやって知るのだ?

最初の最初から、監視するしかないではないか!

 

公明党推薦の椎橋隆幸・中央大名誉教授も、TOC条約に

共謀罪が必要だと思い込んでいるが、今のままで締結

できるのだと、もう判明している。

 

椎橋氏も要件が厳格と言っているが、組織的犯罪集団は、

最初に看板掲げて結成を宣言するわけではないのだから、

一般市民の誰と誰が集結したかを知る方法が監視・盗聴

しかない。

警察が恣意的に運用することは大いにあり得る。

冤罪の発生率は増加するだろう。

 

維新の会推薦の指宿信・成城大教授は、奇妙なことに

維新の会の思惑に反して、法案の危険性を指摘している。

地下鉄サリン事件の反省なしに、テロを防ぐための法案を

用意することは合理性を欠くと言っている。

 

もちろんその通りで、もともと安倍政権が成立させたがっ

ている法案は、「テロ対策」ではなく、「共謀罪」だ。

「未だ冒さざる犯罪を裁く」ために、「一般市民の監視」を

強化する法案である。

 

「共謀罪」は、入国する外国人にはテロリストはいないが、

日本国民がテロを行なう危険があるという「反日法案」に

過ぎない。

観光立国を目指しているから、入国管理を厳しくしたくは

ない。

カネ儲けのために外国人は信用しよう、だが、日本人は

厳しく監視しようという「反日法案」である。

 

安倍政権・自民党・公明党・維新の会、これらは愛国者

ではない!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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